- そーいうのがやたら鮮烈な刺激を与えてくれるっていうかさ、旅の醍醐味だったり
- じゃあ殺せよ
- >>2なんで？
- そこは所々がやたら朽ちててさ、看板とか店の窓とか何もかも色褪せてるのに不自然に観光客がたくさんいてな
なぜか店の隣に鳥居があったり、謎の鐘がずっと鳴り響いてたり、道路から見てパーキングエリアの奥が渓谷になってて聞いたこともない鳥のデカい声がたまに鳴り響いたり
- なんでそんなうそつくの
- >>5ここまでそんなに嘘くさいか？
- とにかくなんな夕方になると異世界につながるような不安感にかられるけど、そんな何もないところになぜか若い人たちがいつも集まっててわりと長時間滞在してるみたいな不思議なパーキングエリア
- なに道
- そこは俺から見てて本当に異常な空間でな
誰も俺に微塵も興味を示さないんだ
（チラッうわあなんか変なおっさん来た目合わせないでおこ）プイ
みたいな興味の無さじゃなくてさ、みんな俺を背景の一部としか見てない
- 臭かったんだろ
- 愛媛側からのしまなみサイクリングで、瀬戸田PAは進入していいかどうかかなり迷った記憶がある
- まあ結論からして5～6回くらい行ったんだがね。食券で買うそこの天ぷら蕎麦美味かったのもあってさ。しかも外で食べていいみたいな
2回目でなんとなくなぜそこにたくさんの若者が集まってるのか理解した
- ハッテン場と化したPAあるある
- >>15もしかしたら夜中はそうだったかも。いつも夕方になったら帰ってたし
- お前らジゴロ次五郎って知ってるか？
あれの舞台のサービスエリアみたいなところだったみたい。別にヤンキーが集まってるわけじゃなく
ある人物がそこをホームにしてて、それをみんな眺めにくるみたいな
- キツネに騙されていて気付いたら廃墟にいるっオチね
- >>18すまんな俺は統合失調症じゃないんだ
- そんである意味運が良かったのかも
2回目でさ、信じられないほど綺麗な女の人が現れたんだ。これ以上例えがない
信じられないほど綺麗な女の人だよ。25才くらいにみえた
- へぇ
- 男も女もカップルもみんなソワソワし始めてさ
なんとなく「神々しい存在を見られる」ことを期待してたのがわかった
娯楽とかエ口とかヒュー♪とかじゃなく、神々しい存在を垣間見れるみたいな
- んでちょっと俺も度肝を抜かれたわけさ
世の中にこんな人間がいるのかって思った。芸能人とか女優とかでも見たことない
本当になんか神様的な存在が夕方鳥居から人に化けてお忍びで来たんじゃないかなって理屈抜きで信じてしまうような
そんな綺麗な人が現れたんだ
- そんで夕方
食堂とか売店とかしまったのに、若者たちは数十人そこに残ってた。鐘はずっと鳴ってたんで淡い光でライトアップされたその人はさ、サービスエリアの真ん中で歌い始めたんだ。状況を知らない俺には唐突に歌い始めたように見えた
- その声は美声とか可愛らしい声とかじゃあなかった
わりと低くて、澄んだ通る声で、そのうえでウイスキーの匂いを溶かしたようなドライで酔ってしまうような声
- あらゆる音楽にそんなに興味がない俺がさ、そこに突っ立ってそのアカペラの歌に聴き入ってた
この偏屈なおっさんがその集団の一員になってたんだ。
- なんとなく俺は悟ったのさ
その場面に偶然居合わせたのは人生最大クラスの幸運だったってさ
- そしたら突然さ、隣で呆けてたカップルが俺に声をかけてきた
- カップル男「お兄さん火打ち石、鳴らしてませんよね？よかったらどうぞ」
カップル女「あ、ホントだ。おのぼりさんじゃん」
とか言ってきた
- もういいやめよう
- >>30どうした？
- そのカップルは何かトリップ状態だったようだ。視線からして多分俺じゃない何かを見ていた
俺は怖くなって会釈をすると軽自動車に逃げて帰った
- まあそのあと数回その場にいったけどその人には会えなかった。でもいつも賑わってた
- まあそんな思い出
- なぜか誰も帰らない
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