【デマツイートは逮捕】ＳＮＳ有力発信者訴追　１６年大統領選、誤情報流布―米

【ワシントン時事】米司法省は２７日、トランプ前大統領が当選した２０１６年大統領選で一方の候補を支援するため、インターネット交流サイト（ＳＮＳ）を通じて誤情報を流したネット不正利用の容疑で、ダグラス・マッキー容疑者（３１）を逮捕し、ニューヨーク州の連邦地裁に訴追したと発表した。米メディアは、容疑者がトランプ氏を応援していたと伝えている。

　マッキー容疑者はＳＮＳ上で「リッキー・ボーン」を名乗り、１６年時点でツイッターに約５万８０００人のフォロワーがいた。リッキー・ボーンは米映画「メジャーリーグ」（１９８９年）で俳優チャーリー・シーンさんが演じた投手の役名にちなむという。ＳＮＳ上で影響力を持つ発信者「インフルエンサー」からの誤情報が選挙をゆがめかねないとして、司法省は厳しく取り締まる姿勢を打ち出した。

　司法省や法廷文書によると、マッキー容疑者は大統領選直前の１６年９～１１月、ＳＮＳを通じて誤情報を流布。候補のポスターの前に立つ黒人女性の画像と共に「（投票所で）列に並ばなくて済むよう、家からテキストメッセージで投票しよう」と、実際には無効な方法による投票を呼び掛けるなどした。民主党候補だったクリントン元国務長官の支持者が標的だったとみられる。
　米人権団体「南部貧困法律センター（ＳＰＬＣ）」は、「リッキー・ボーン」のアカウントが人種差別的な極右思想を拡散していたと指摘している。ニューヨーク東地区連邦検事代行は声明で、マッキー容疑者の逮捕について「こうした（ＳＮＳという）手法で民主主義のプロセス破壊をもくろむ者が、ネットの匿名性によって刑事責任を逃れることはできないと示した」と強調した。

ソース
https://www.jiji.com/sp/article?k=2021012800859&g=int