各党の「子育て支援策」がこちら ケンモ軍師はどう思う？

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA155O40V10C25A7000000/

子育て支援策、給付一色で大丈夫？　財源・政策効果あいまい

自民は公約で「子育て支援のメニューを十分に活用いただけるよう取り組みます」とうたい、これまでに打ち出した対策の充実ぶりを強調する。

政府は2023年末、若者世代の所得底上げや子育て世帯の支援策を盛った「こども未来戦略」をまとめた。児童手当は所得制限を撤廃し、対象を高校生まで広げた。出産費用は26年度をめどに無償化制度を設計する検討が進む。

公明も「児童手当の抜本拡充や妊娠・出産期の伴走支援、高等教育の無償化拡大などが着実に実現しています」と与党としての取り組みをアピールする。

野党は自公を上回る給付拡充で競う。国民民主党は中学生で月1万円の児童手当を18歳まで月1万5000円に引き上げるとうたう。0歳児に対する無料の見守り訪問や18歳までの医療費の無償化も掲げた。

共産党は、給食費のほか教材費、制服代など「義務教育の完全無償化をすすめる」と盛り込んだ。れいわ新選組は「すべての子どもに所得制限なしで毎月3万円を給付する」と主張する。参政党は15歳までの子ども1人に月10万円を給付すると掲げた。

財源への言及は少ない。国民民主や参政は「教育国債」を発行すると説くが、借金に頼れば将来世代の重荷となるだけでなく、元利払い膨張で成長投資の余地を圧迫しかねない。

足元では、政府の計画でさえ財源確保がおぼつかない。

政府は、28年度に向けて少子化対策予算の一段の底上げを計画する。地方分も含めた事業費の3割弱にあたる1兆円は医療保険料に上乗せする支援金で集める。社会保険料の上昇を抑え、家計の負担は実質的に増えないと説明する。

ただ保険料圧縮の有力手段だった高額療養費の負担限度額の引き上げは、患者団体らの反発を受けて当面凍結された。政府の原案通りに実施していれば保険料を3700億円分圧縮できるはずだった。28年度までに1兆円を確保できるかはおぼつかない。