- カラス「オハヨ、オハヨ」
彼女「うう、お外出たくないなあ…」
彼女「ねえ、俺君、おうちでずぅっとイチャイチャしてようよ」ｷﾞｭｳ俺「たまには外出ないと駄目だろ」ﾊﾊﾊ
彼女「うう…人の目怖いよ…」
カラス「オハヨ、オハヨ」
- カラス「オハヨ、オハヨ」
彼女「ねえ、買い物全部アマゾンでよくない？ ねえ？」
彼女「もうやだあ、帰りたい…」俺「そういうわけにもいかんだろ…」
彼女「俺君、お願い…気分悪くなってきたから帰るね…」
俺「仕方ない、俺一人で買ってくるよ」ﾊｱ
彼女「や、やあ！ 一人でお留守番やあ！ 一緒にいる！」ｷﾞｭｳ
俺「やれやれ」
カラス「オハヨ、オハヨ」
俺「……」
俺「おはよう」彼女「どうしたの俺君？」
俺「いや、なんでもない。ぼうっとしてたわ」ﾀﾊﾊ
- ガラスに映った自分「おい、聞こえてるんだろお前」
俺「……」
彼女「俺君？」
俺「あ、ああ、なんだ？」
彼女「やっぱり疲れてるんじゃないの？」
俺「寝不足かなあ、とっととスーパー行って帰ろうぜ」
彼女「うん！ うん！」
彼女「そうだ！ 家帰ったら一緒にマイクラやろ！ マイクラ！」 - 彼女「ここ、治安悪いから気を付けようね…」
俺「外国人労働者が多いからな」ﾌｧｱ
俺「先輩から聞いたけど、普通にヤク出回ってるらしい」彼女「ひっ！」
彼女「やっぱり帰ろうよー俺くーん！」ｸﾞｲｸﾞｲ
彼女「ね？ 一緒にずっとアマゾンの缶詰だけ食べる生活しよ？」俺「そういうわけにもいかないからなあ…」
- 不穏
- 彼女「かえりゅー、かえりゅー！」ｸﾞｲｸﾞｲ
俺「こらこら歩きづらいだろ…」
ﾄﾞﾝｯ
俺「あ…すいません、あ」
男Ａ「は？ お前どこに目付てんの？」
男Ｂ「ほっとこうぜ兄貴ｗこいつらビビってんじゃんｗオモロ」俺「あ、あ、あ…」ｶﾞｸｶﾞｸ
彼女「あ、あわわわわ…」俺（こ、こいつら、裏通りんとこのホストか…？）
- 俺「あ、あの、すいません。本当、許してください」
男Ａ「慰謝料出せ慰謝料！五万円な！」
俺「あ、はい、あ…」
ﾊﾞｯ
男Ａ「ひーふーみー、三万しかねえじゃんｗおら、ＡＴＭ行くぞ」
俺「あ、ああ、はい…」
男Ｂ「兄貴、後でキャバ行こうぜ」
男Ａ「おごってやるわｗ」
- 俺「本当…許してください…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
男Ａ「よーし、最大額二十万引き出しっとｗ」
男Ａ「おいお前、じゃあ財布もらってくわ。カード止めんなよ、56すからｗ」俺「あ、あああ…」
男Ａ「住所もわかってんだから、逃げられると思うなよ田中君」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
俺「あっ、あ、あ…」
男Ｂ「兄貴鬼畜過ぎｗ」
何もできずに子供のように泣きじゃくる彼女「ひぐっ、ひぐっ」
- 俺くん雑魚すぎ4ね
- 男Ａ「ごめんねーお前の彼氏ちゃん俺らのＡＴＭにしちゃってｗ」
彼女「あ、ああ、あうう…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
俺「……」
男Ａ「ん？」
男Ｂ「どした兄貴？」
男Ａ「この子よく見たら普通に可愛いじゃんｗこいつみたいなオタク君にはもったいないっしょ」
男Ａ「なあ、俺らと遊ぼうぜｗ」彼女「え、え、え…？」
俺「は？」
- 男Ａ「お前には聞いてないんだわ、なあ？」ｶﾞｯ
俺「ヒッ」
男Ｂ「オモロ」
男Ａ「じゃあ行こうかｗお前もこんな冴えない奴より俺らといた方が楽ししいっしょｗ」ｸﾞｲｯ
彼女「や、やぁ！ やだあ！ やあ！ 助けて俺君！ 助けて！」
俺「や、辞めろ！」
男Ａ「うぜえぞオラ」ﾌﾞﾝ
俺「うぶっ」
男Ａ「雑魚過ぎｗカッコ悪いねえｗ」
- 俺くんがんばれ…！
- つれえわ…
- 男Ａ「もう56すな？ なあ？」
俺「えっ、あ、あ、ああ…」ｶﾞｸｶﾞｸ
彼女「や、やめて！ 俺君に酷いことしないで！ お願いします！ お願いします！」ｶﾞｸｶﾞｸ
男Ａ「わかった、やめるわ」
彼女「ほ、本当、ですか？」
男Ａ「お前が俺と一緒に遊んでくれたらいいよ」
俺「えっ…？」
彼女「カ、カードも、返してあげてくれますか？」
男Ａ「うん、いいよ。そんなに必死に彼氏を庇ってるところに感動したわｗ」
男Ａ「お前が一緒に遊んでくれるならいいよ」 - 彼女「わ、わかりました…」
俺「あ、駄目…駄目だ…」
俺「行かないで…行かないでくれ…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ男Ａ「じゃあいこっかｗ」ｸﾞｲｯ
男Ｂ「オモロｗ」俺「あ、ああ、ああ…」
彼女「ね、ねえ、俺君に、カード、あの…」
男Ａ「ああ、明日返しとくわｗ住所知ってるしｗ」
彼女「え？ え？ え？」
俺「あ、ああ、ああああ」
- 俺「行かないでくれ…行かないでくれ…」
俺「行かないでくれ…」俺「あああああああああああああああああああああ！」
俺「あああああああああああああああああああああ！」
俺「あああああああああああああああああああああ！」
「なんだあいつ…？」
「知的障害だろ」
「街に変な奴いたってツイッターあげよｗ」俺「あああああああああああああああああああああ！」
- 俺「……」ﾌﾗﾌﾗ
カラス「オハヨ、オハヨ」
俺「……」ﾌﾗﾌﾗ
カラス「オハヨ、オハヨ」
カラス「オハヨ、オハヨ」俺「……」ﾋﾟﾀｯ
カラス「オハヨ、オハヨ」
カラス「オハヨ、オハヨ」
カラス「オハヨ、オハヨ」俺「オハヨ、オハヨ、オハヨ、オハヨ」
カラス「オハヨ、オハヨ」
俺「オハヨ、オハヨ、オハヨ、オハヨ」
- 俺「ああ、ああ、ああ…」ﾊｧﾊｧ
俺「帰るべきだったんだ帰るべきだったんだ帰るべきだったんだ」ｶﾞﾀｶﾞﾀ人形「そんなのわかりっこないじゃない」
俺「でも帰るべきだった帰るべきだった」
俺「彼女の言う通りにしてたらこんなことにならなかった」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ俺「頼む、電話出てくれ…頼む…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
俺「うう、うう、うううう…」ｶﾞｸｯ
人形「悩んでもしょうがないわよ」
人形「全部終わったら連絡してくるわよ」俺「全部って何が？」
人形「さあ？」
俺「ああああああああああああ！」ｶﾞｼｶﾞｼｶﾞｼｶﾞｼ
- 俺「彼女…彼女…彼女…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ
人形「全然連絡なかったわね」
人形「もう寝たら？」俺「彼女…彼女…」
ﾌﾟﾙﾙﾙ…
俺「かっ、彼女か！？」ﾊﾞｯ
『ン、ン、ンアアア、やめて、やめてえ』
『こんなに濡れてるのにかよｗ』
『いや、いやあ、やめてえ、いやあ』
『じゃあもっと抵抗すればいいじゃんｗカラオケの後のバー、あんなに楽しそうにしてたくせにｗ』俺「」
- 続けろ
- 『ここで彼女ちゃんに凄いこと教えちゃいま～す』
『えっ、ンン』
『じゃーん、今、彼氏君に音声繋げてましたｗ』
『えっ、えっ』
『今膣ちょっと締まったｗ』
ﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯ
『ンッ、アッ、嘘、ああ、やあ、やあ！ 違うの！』
『彼氏くーん、お前の彼女ちゃん、超ヤリマンじゃんｗ出会って今日やらせてくれたわｗ』
『俺らのホテル代とデート代出してくれてありがとうなｗそれだけじゃ済まさねえけどｗ』 - 続きはよ
- 期待age
- カラス「オハヨ、オハヨ」
人形「どうしたの眠れないの？」
ガラスに映った自分「全てお前の招いたことだ」
女の子「そんなことない、仕方のないことなの。誰も悪くないの」俺「……」
カラス「オハヨ、オハヨ」
人形「全ては運命みたいなもの。悔やんでも仕方がないわ」
ガラスに映った自分「そうやって何もしないで今があるんだ」
女の子「俺君、辛いよね？ 今はゆっくりしないと」俺「……」
ガラスに映った自分「お前が今までいろんなものから逃げて来たからああなった」
ガラスに映った自分「お前が年齢相応の男なら、あんなチンピラに絡まれたって上手くやれていただろう」
ガラスに映った自分「何ら経験を積まず、楽しくて楽なことばかり追った。その結果が今だ」 - ガラスに映った自分「自分より社会に怯えてる女の子を匿って、偉そうにあれこれと薄い人生観で講釈を垂れる気分はどうだった？」
ガラスに映った自分「最高だっただろ？」俺「黙れ…」
ガラスに映った自分「何も知らない子だったから、お前の見栄や虚勢も全部信じてくれて気持ちよかったよなあ」
俺「黙れ」
ガラスに映った自分「でもこれでよかったのかもな。偉そうなフリーターのオタクより、ホストに適当に遊ばれた方がずっとあの子の人生にとっても有益…」
俺「黙れよおおおおおおおおお！」ｶﾞﾝｯ
ﾊﾟﾘｨｲﾝガラスに映った自分「こんな、こと、やったって」
ガラスに映った自分「何も、変わらない、ぞ」
ガラスに映った自分「」俺「……」ｾﾞｪｾﾞｪ、ﾊｧﾊｧ
- 保守
- 俺くん今こそ変わるときだ
- 俺「助けてください…」ｶﾞﾀｶﾞﾀ
医者「なるほど、色んなものが話しかけてくる、と。それはいつから？」
俺「二年以上前からカラスに挨拶されているような気がしていました」
俺「最近、それが顕著なんです」医者「ふうん？何か切っ掛けが？」
俺「その、チンピラにカツアゲされて、それから…」
医者「二年前には何が？」
俺「大学辞めて…実家を出て、アルバイト、やってました」
医者「ううん、その不安からかな…」
- 医者「友人や恋人は？」
俺「一年半前に、恋人が…」
医者「それからしばらく幻覚は止まってた？」
俺「いえ、あの頃からカラスの声が聞こえるように…」
医者「……」
俺「信じてないんでしょ？ そうなんだ」
医者「いや、違うよ。気になってることはあるけどね」
- おいおいさよ教エンドか？
- 脳内チップをアップデートし忘れてたんか？
歳下で依存癖のあるニートの彼女「俺君、私から離れないでね…」
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