- そういうのお互いにありなおおらかな時代だったね
- ミヤギさんだろ
- まあ見てただけなんだけどね
変な頭の悪い大男が当時働いてたバイトで他所の企業で働いてるお爺さんにクレームつけたのがトラブルの発端だったんだがね
- あんま詳しく言えんがね、変な頭の悪い大男はさ当時住み込みのバイトしてたんだ
変な頭の悪い大男は人生何もかも上手く行ってなくてな。そのストレスの現実逃避の反映は「放浪」だった
自分をよく知らない人間は若いというだけである程度チヤホヤしてくれる。でも少し関係を深めるとさ、変な大男の空っぽさや挙動不審や異常な精神状状態がバレて拒絶される
そう思い込んだ大男の洗濯はさ
職も放浪 だった
- まあ見てただけなんだけどね
- んで、変な若い大男がかなり若いころにやってたその住み込みアルバイト
それは日本全国から集まったいろんなチームがさ、数年後に開催されるとある日本の大イベントに向けての「街づくり」を様々な形でやる
そんなアルバイトだった
- まあここはね
揉め事起こすと指揮役の公務員の皆さんに目をつけられ班ごと退場させられる
「連帯責任」という同調圧力にさらされ他所のチームと決してトラブルを起こしていけないが、他所のチームの人間がどこの出身かもわからない。明らかに東南アジア系やブラジル系の人もいる
そんな舞台を大まかにイメージしてくれ
- んで変な大男はさ、若いから当然班の下っ端だったわけだ
その場にしばらく残って、他の班に伝言という役割をしばしばやらされた。主力が仕事進めてるうちに、いつ来るかわからない連絡先もわからない他の班に
「〇〇さん（公務員）さんからの指示でうちの班が□□やってます。移動してもらえますか？何かわからない点があったら〇〇さんに連絡して確認お願いします」
とか、待ち伏せしてからそういう伝言をする任務が与えられたわけさ
- ものすごく非効率極まりないけど
スマホすらなかった当時は携帯での口頭の連絡が連絡網だった
ちゃんと伝えないと変更された自分たちの仕事場に他のチームがどんどん荷物や機械を配置していってしまい、トラブルになる
- でもその公務員の人が統率力ないとトラブルがしばしば起きたわけよ
んでトラブったら退場という理不尽
- んでその日
俺は昼休み後、仕事場になる予定の空き地に置いていかれた。主力らは前の場所の仕事の仕上げ片付けてくるから、お前は「場所とりしとけ。なんかあったらお前が直接〇〇さん（公務員）に連絡しろ。でもよほどのことがないかぎり連絡するなよ」
という指示が来てたんだ
アスペの俺にはちょっと難解な任務だった
- まあ
場所とりしてたわけさ - 正直ラッキーと思ったね
2時間くらいサボれるとふんだ。待ってるだけでいい、一応人員を配置した系の仕事だし
誰も来ない可能性のほうが高い
そうふんでさ、気楽に日陰に座って支給されたアイスコーヒーと餅に舌鼓を打ちながら仮説トイレでおしっこしてたりしてたのさ
- そしたら現れたわけよ
ガッシリした体格で全体的に四角い小柄な爺さんが現れた。マジで150センチくらいしかないのに筋肉質で、顔がデカくしかくく体型も四角い全身白髪かつ白いヒゲが山賊な爺さんが現れたんだ
- 爺さんはダンプを空き地に停めて、いろんの荷物を下ろし始めた
俺は慌ててそれを止めに入ったわけよ
そのために配置されたんだし
- 俺「すみませーん！！ここの現場は変更になってうちの班が請け負うことになったんですけど。聞いてませんか？」
と、俺は大声を出した
それは疑問形という形だけど、実質的には警告だった
「上役に確認しろ。そしてどっか行け」
そういう内容の警告だ
- でもその四角い老人は一瞬こっちを見たあと、なんか一瞬おちゃらけた「ワイ、トークで人気者やで？んで変なやつ話しかけてきたわ」みたいな関西人独特の小芝居をしてきた
具体的に自信満々な変な顔して一瞬どっか見て、俺を無視して荷物おろしを再開した
- まだ一言も四角い爺さんの言葉を聞いてないが、これから関西人とのトラブルになると予感できてた
- 俺「すみません。聞いてます？」
四角い爺さん「・・・」ツーン！
ガチャン ガチャン
俺「あの、午前中うちの班に連絡がありまして。ここはうちの班が請け負うことになったそうなんですが」
四角い爺さん「ツーン！」
- 会話にならなかった
多分こいつ後から何か不具合起きたら絶対に
「何も聞いてへんで？伝言役なんかいなかったし、そいつサボって女のケツでも追いかけまわしてたんちゃう？」
とか言い出すやつと一瞬で理解した
- 実際そんな感じで荷物を先に置かれちゃうとさ
公務員の上役「荷物おいちゃったの？ま、いっか。じゃあそのまま仕事に入って（数週間）」とかわりとある世界だったんだ
だから俺は焦った
- なにこれスクリプト？
- >>23
違うが - >>25
ただの変な人か - 俺「公務員の人に連絡しますね。〇〇さんて方です」
俺はそう宣言した
それで解決したと思ったんだ。伝家の宝刀だと思ったんだね、ほら俺若かったしさ
- そしたらその爺さんいきなり駆け寄ってきた
- 爺さん「カナテ技で！腹へし折るで！ラァ！」
- アスペ俺は混乱した
- そこらの女の子より小さくて、顔がデカい四角い鈍そうな爺さんがさ
暴力で威嚇してきたんだ
んでやっぱり関西人だった
- カナテ技とはなんだろうか？
腹ってへし折れるものなんだろうか？
これはもしかしてあの池乃めだかにやるアレを期待されてるのか？
俺の中で思考がグルグルまわった
- 俺「え？とにかく連絡しますね」
爺さん「すなや！ここはワイらの現場言うとるやろ！！！」
俺「え？いいました？どちらにせよ、確認してほしいんですが」
爺さん「やかしいわ！！！」
バスっ
- 変な頭というのはリーゼントのようなパンチパーマのようなサザエさんのような
つまりは髪型の事なんですわ - 信じられなかった
爺さん白昼堂々と暴力ふるってきたんだ
それは相手に怪我をさせないように、大げさなモーションで相手の肩の肉の厚いあたりを横から殴る暴力
肩パンならぬ、肩殴りをしてきた
- 俺は次の瞬間から
隣町まで聞こえるレベルで五分ほど喚き散らし続けた
何を喚いたかは覚えていない
- 続々と集まるギャラリー
見知らぬ指揮役の公務員の制服を着た人も現れた
それでも俺は喚き続けた
- 青ざめた爺さんは
爺さん「すまんすまん勘違いやったわ。こ
こうちの現場ちゃうなあ」とギャラリーにアピールをはじめた
爺さん「あんちゃん怒らんといてや」
そしてそう言って爺さんはおろした荷物をダンプに積み直して逃げ出した
- 世知辛いよね、世の中って
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