ついに立ち上がった「仏教徒ゲリラ」がミャンマー国民を恐怖に陥れる

1 : 2023/11/20(月) 22:32:09.50 ID:dy2dCnG20HAPPY

ミャンマー少数民族問題の新たな火種──仏教徒ゲリラ「アラカン軍」という難題

僧侶ナンダタラの自室にはアラカン軍司令官タワンムラナイン(中央)と副官の写真が CHIHIRO IMAIZUMI
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<少数民族が武装闘争を続けるミャンマーで新たな混迷を呼ぶ「アラカン軍」が支持される複雑な理由>

「ゲリラになったのは、15歳のときだった。貧しさから抜け出すにはそうするしかないと思ったから」

丸顔に人懐っこい笑みを浮かべたアウン(29)が、意外な経歴をさらりと明かした。デニムにTシャツ姿、カフェでミャンマー式の甘いコーヒーをしきりに勧める今どきの青年が、ジャングルで銃を片手に国軍と戦う姿はどうにも想像できない。

アウンはラカイン人という少数民族の出だ。彼らが暮らすミャンマー西部のラカイン州は、2017年8月に起きたイスラム系少数民族ロヒンギャに対する大規模な弾圧によって、一躍世に名を知られるようになった。仏教徒であるラカイン人はロヒンギャに対する差別や暴力に加担し、民族対立をあおったとして、世界に「悪名」をはせている。

昨年、同州を取材したときは事件から間もないこともあり、多くのラカイン人がロヒンギャを激しく非難していた。だが、間もなく2年がたとうとしていた今年の夏の取材では、誰もがもっと重大な関心事に気を取られているようで、ロヒンギャのことは忘れ去られたかのように見えた。彼らの心を占めていたのは、地元の武装勢力「アラカン軍」である。
「ゲリラは人生の学校」

ラカイン州では1950年代から民族運動が続いており、アウンも2005年に地元ゲリラの1つに入隊した。最初はジャングルで蛇やトラに襲われるかもと不安で寝付けなかったが、隊の中でも最年少だった彼は、すぐに基地で行われる軍事訓練や、英語や人権の授業に夢中になった。そのときの仲間とは今でも交流があり、彼にとって「ゲリラ隊は人生の学び舎」だった。

ミャンマーには、政府に公認されているだけで135もの少数民族が存在する。モザイク国家を絵に描いたようなその多様性は1948年の独立以来、紛争の火種になってきた。少数民族を戦いに駆り立てるのは、政府や国軍の長年にわたる差別や搾取に対する強い不満だ。

独立時に掲げられた「連邦制」は名ばかりで、多くの少数民族には自治権はおろか学校で自分たちの歴史や言語を学ぶことも許されていない。さらに彼らの居住地では、国軍による強制労働や土地の収奪、住民に対する暴力が頻繁に起きている。また、戦闘が発生するたびに多くの市民が家を追われ、隣国の中国やタイで難民化した。

中央政府は少数民族と和平協議を続けてきたが、その目的は彼らの土地に眠る天然資源や国境貿易の利権だったため、交渉はまとまっては決裂し、新たな紛争が生まれた。2016年にアウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)が政権に就き、少数民族との和平を最優先課題に掲げると、やっと状況が変わるという期待が広がった。

だが、国軍と少数民族の調整がうまくいかず、和平協議は難航しており、現在も中国国境付近のシャン州などで、複数の武装勢力が戦闘を繰り広げている。なかでも今、勢いを増しているのが仏教徒ゲリラのアラカン軍だ。

アラカン軍は2009年に設立された比較的新しいラカイン人の武装組織。今年の1月、ラカイン州北部の警察施設への襲撃を皮切りに独立闘争を開始した。これまでに警察施設のほか国軍の交通・物流の拠点などを幾度も攻撃しており、当初は北部中心だった戦闘地域も南部や市街地にまで伸張している。10月にはラカインの州都シットウェから北部に向かうフェリーをハイジャックして、ミャンマー軍兵士や警察官およそ50人を誘拐する大胆な作戦を敢行し、海外メディアにも注目された。

ミャンマー少数民族ゲリラの大御所「カチン独立軍」から支援を受けるアラカン軍は、中国と国境を接する北部・北東部の少数民族武装勢力と結び付きが強い。「タアン民族解放軍」やコーカン人の武装勢力と北部同盟という組織を結成し、共同で作戦を行うこともある。当初は雨期が始まる5月を待たずに国軍がアラカン軍を駆逐するとみられていたが、戦闘が始まって10カ月が過ぎた今も事態は収束せず、国軍の高官にも犠牲者が出るなど被害が広がっている。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/11/post-13493_1.php

2 : 2023/11/20(月) 22:32:58.27 ID:dy2dCnG20HAPPY
古都から消えた観光客

この紛争で激戦地になっているのが、ラカイン州北部の古都ミャウーだ。シットウェから船で4時間ほどの距離にあるミャウーは、15~18世紀に栄えた海洋国家・アラカン王国の中心部だった。数多くの仏教寺院や宮廷の遺跡がたたずむ街並みは、欧米の旅行者には知られた観光地だったが、地元の人によれば、紛争が始まってから訪れる外国人はほとんどいないという。

取材時、ミャウーには夜間の外出禁止令が出ていたものの、昼間は遺跡周辺で遊ぶ子供の姿も見られ、一見のどかだった。だが、夜半には何度か銃声を聞いた。両軍の戦闘や地雷の爆発に巻き込まれ、死傷する一般市民は後を絶たないという。現地で支援活動を行う地元NGO「ラカイン民族会議」によれば、戦闘で家を追われた国内避難民の数はラカイン州全体で既に7万人に達した。

ミャウーで約200人の避難民を受け入れているミャタンサウン僧院を訪ねると、敷地内にテントが立ち並び、広間は大勢の人であふれかえっていた。季節はちょうど雨期。日中も断続的に激しい雨が降り、誰もが疲労の色をにじませている。

6人家族の家長の男性(40)は自分の村で突然、銃撃戦が始まったために家族そろって避難してきたと話す。「夜の10時頃、パンという音が一発したかと思うと、すぐに数え切れないほどの銃声が鳴り響いた。急いで家を出たが、途中で娘が流れ弾に当たってしまった」

この僧院で支援活動を仕切る僧侶のナンダタラ(37)によれば、中央政府が海外の援助団体の活動を制限しているため、食料や衣料品などの生活物資は恒常的に不足。受け入れ人数が日々増加しており、避難民の健康状態も悪化しているそうだ。

この僧院は避難民に紛れたアラカン軍兵士も保護しているという疑いを掛けられ、政府から強い圧力を受けている。ナンダタラは「このまま受け入れを続けたら警察に逮捕されるかもしれないし、悪くすれば殺されるかもしれない」と不安な気持ちを吐露した。アラカン軍との内通を疑われた市民が尋問中に虐待を受けたり、国軍に不利な戦況を報道した地元メディアの記者が起訴されたりといった事態も発生している。

だが、取材中にアラカン軍を中傷する人にはほとんど会わず、ラカイン人の誰もが「アラカン軍はわれわれのために戦っている」と擁護した。ナンダタラの自室には、アラカン軍の司令官2人の写真が堂々と飾ってあった。

その一方で国軍に対するラカイン人の反感は、さらに増しているようだ。戦火はラカイン人の心のよりどころである遺跡にも及び、破壊されたものもある。地元のドライバーがその現場に進んで案内してくれ、瓦礫の前で「遺跡を壊すなんてあり得ない」と怒りをあらわにした。
失望と戦いの悪循環

「ヤンゴンに初めて行ったとき、すごくびっくりした。ビルがたくさんあって、道路も整備されていて、どこでも電気が通っている。僕の村はとても貧しくて、毎晩ロウソクの火で勉強していたから」

アウンは最大都市ヤンゴンを訪れて、初めて故郷ラカインの貧困に気付いた。自分たちの失われた権利や富を取り戻すためには戦うしかない。それが、14年前にゲリラに入隊した理由だった。

今も同じ理由でアラカン軍に続々と若者が入隊しており、既に兵数は7000人に達するという。ラカイン人にも、多数派ビルマ人に対する根深い怨嗟(えんさ)がある。かつてラカイン州に栄えたアラカン王国はベンガル湾の覇権を握る大国で、ラカイン人はその歴史に揺るぎない誇りを持っている。

1784年にビルマ人王朝に王国が滅ぼされた後も、学識の高さで知られたラカイン人は、英国の植民地政府で要職を得ていたという。だが独立後のミャンマーでは、多数派ビルマ人の言語や宗教、歴史を中心にした「ビルマナショナリズム」による国造りが進められる。その結果、他の少数民族の人々は、経済開発の恩恵や社会的地位を得る機会を失っていく。ラカイン州も同じ道をたどり、同州の貧困率は今や78%と国内平均の倍以上だ。

3 : 2023/11/20(月) 22:33:10.66 ID:dy2dCnG20HAPPY
もう1つ彼らが不満を募らせているのが、中国資本の経済開発だ。1988年に誕生した軍事政権下で国際的に孤立したミャンマーは、隣国・中国に依存するようになる。1990年代から対外援助を利用して自国経済の発展を目指した中国は、ミャンマーへの経済・軍事協力を続け、両者は親密さを増していった。

「一帯一路」構想が打ち出されると、インド洋に面し、豊富な天然資源を擁するラカイン州でも、中国資本の経済開発が盛んに行われるようになる。だが、こうした開発の収益は中国企業と中央政府で分配されているため、地元にはほとんど還元されていない。

民主化の象徴だったスーチーの再起には、ラカイン人も期待を寄せた。ところが、地元の民族政党アラカン国民党(ANP)のミャウー支部で書記を務めるタンニーウィン(33)は、「スーチー氏が政権トップになって3年が過ぎたが、変化は感じられず、NLDに対する失望が広がっている」と話す。誰も助けてくれないのなら独立しかない──ラカイン人の積年の鬱屈を晴らす唯一の希望がアラカン軍なのだ。

ミャンマーがいつまでも紛争から抜け出せない背景には、戦いに乗じて甘い汁を吸おうとする当事者の思惑がある。

ミャンマーの武装勢力の中でも「全国停戦協定(NCA)」に同意していないのは、主に中国との国境地帯を拠点にする武装勢力だ。彼らはもともと民族・文化的に中国に近く、1980年代までは中国共産党の支援を受けて反政府活動を展開していたビルマ共産党(CPB)に協力していた。そのため、中国とはいまだに強い結び付きがあり、北部の少数民族であるワ人やコーカン人の武装組織のリーダーは、資金集めや健康診断のために中国への自由な出入りが許されているという報告もある。

また、ミャンマーと国境を接する中国・雲南省の商人を相手にした材木やヒスイ、麻薬などの密貿易は武装組織の重要な資金源になっている。中国とのビジネスで強固な財政基盤を築いている北部の武装組織は、停戦協定に応じる必要などないのだ。

不満を募らせつつも、アラカン軍にとって、中国とのつながりは魅力的でもある。実行支配地域で中国と貿易を行う北部の民族に比べると、領地を持たないアラカン軍は資金力が弱く、武器の供給も安定しない。だが、中国と組めば状況は変わる。情報筋は「アラカン軍が近頃、国軍兵士を人質に取るなどの大掛かりな作戦を実行するのは中国からの歓心を買うためだ」と分析する。アラカン軍の司令官タワンムラナイン(41)は、最近ラカイン州における中国の経済開発を歓迎する主旨の発言もしている。

4 : 2023/11/20(月) 22:33:19.46 ID:/OST4tvY0HAPPY
坊主が戦う国があるの??
5 : 2023/11/20(月) 22:33:50.92 ID:dy2dCnG20HAPPY
紛争が秩序の前提に

中国も、実はミャンマーで紛争が続くことを望んでいる。政情が安定し過ぎると、ミャンマーは欧米との関係改善に乗り出す。それで中国離れが進めば一帯一路に支障が出る。

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少数民族と国軍の戦闘が続けば、中国はミャンマー政府に和平を後押しする立場で影響力を行使できる。北部同盟は2017年以降、ミャンマー政府との和平協議に出席だけはするようになったが、それは中国側からの要請を受けてのことだといわれている。ミャンマーの実権を握る国軍も、紛争が続けば自国の治安維持に力を尽くしていると、国民に存在意義を声高に主張できる。

通訳のアウンは、ゲリラ隊で5年過ごした後、武装活動から離れた。戦いに身を置くうちに多くの市民が戦闘の犠牲になっていると気付いたからだ。「武力では問題を解決できない。本当に必要なのは教育だ」と思うようになり、友人とシットウェで英語塾を始めた。若者たちが豊かな知識や広い世界に触れる手助けをすることが彼の生きがいになった。

だが今年に入り、生徒たちが次々と彼の元を離れてアラカン軍に入隊した。かつての自分と全く同じ理由で、若者たちが戦場に向かう。

「アラカン軍が間違っているとは、僕には言えない。でも生徒たちが今までの学びを捨てて、兵士になるのは悲しい。彼らの訃報を聞くと、胸が張り裂けそうになる」

あるミャンマー研究者は、「ミャンマーでは紛争が秩序の前提になっている」と指摘する。70年以上も続く紛争は、政治・経済・生活の全てに入り込み、若者たちの情熱は、大国や権力者の都合のよい手駒にされる。気付かぬうちに戦争の負のサイクルにはまった人々が、そこから抜け出すのは容易ではない。

<本誌2019年12月3日号掲載>

6 : 2023/11/20(月) 22:36:44.58 ID:8GzSu2sJMHAPPY
いつまで内戦してんだ?
やっぱこれもアメリカが1枚噛んでるの?
8 : 2023/11/20(月) 22:40:13.74 ID:F4QjhlIL0HAPPY
>>6
アメリカというか自民党がミャンマー国軍に事実上の支援したからこんな事なってんじゃないの、
7 : 2023/11/20(月) 22:37:39.50 ID:nXfQcotJ0HAPPY
一向一揆みたいなもんやろか?🤔
9 : 2023/11/20(月) 22:40:46.01 ID:eIDB59y50HAPPY
ノーマクサーマンダボダナン インドラヤソワカ
とか呪文唱えながら襲ってくるのかな
12 : 2023/11/20(月) 22:46:05.97 ID:dKhGOMy30HAPPY
>>9
孔雀王かよ
16 : 2023/11/20(月) 22:57:26.88 ID:Xise0MFz0HAPPY
>>9
नमः समन्तबुद्धानां इन्द्राय स्वाहा でOK?
10 : 2023/11/20(月) 22:41:59.71 ID:VYB0eylB0HAPPY
ウイグル獄長とか混ざってそう
11 : 2023/11/20(月) 22:45:29.70 ID:1dO5ua9L0HAPPY
漢字で書くと阿羅漢かな?
13 : 2023/11/20(月) 22:46:51.44 ID:eTmKJFAi0HAPPY
仏教ゲリラというパワーワード
14 : 2023/11/20(月) 22:46:59.55 ID:EBm3+7IN0HAPPY
仏陀も呆れてるよ
15 : 2023/11/20(月) 22:48:34.27 ID:UNi+35GD0HAPPY
還暦前後の坊さんの軍隊?
17 : 2023/11/20(月) 23:01:30.80 ID:Gla1WORd0HAPPY
アウンサンスーチーは今何してんの?
23 : 2023/11/21(火) 01:06:58.64 ID:mVEZfNvP0
阿羅漢

劇場公開日:1986年3月21日

これやん

24 : 2023/11/21(火) 01:10:43.37 ID:+t/MPDltd
僧兵か?
25 : 2023/11/21(火) 01:11:46.10 ID:+t/MPDltd
スリランカも派手に内戦やっとったよな
26 : 2023/11/21(火) 01:22:33.92 ID:xiG8PEGka
阿羅漢てカンフー映画なかったか
27 : 2023/11/21(火) 01:56:33.56 ID:OQnQ9h4G0
テーラワーダ仏教みたいな大乗仏教と異なる仏教を学んでる人は武装とかしなさそうなイメージあるけど

テーラワーダ仏教は、全て受け入れる、善悪の判断をしない、怒らない、現世に執着しない、二度と地球に輪廻しないだろう。

29 : 2023/11/21(火) 05:49:22.74 ID:iJBKh36s0
アラハンじゃないの?
30 : 2023/11/21(火) 05:56:48.63 ID:0znLNZXp0
宗教ってやっぱどこも一緒だな
仏教系はちがう~ってバカが言ってたけどw
31 : 2023/11/21(火) 06:02:36.12 ID:iJBKh36s0
>>30
頻度が違うって重要な要素じゃね

コメント

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